県立保健所管内における本年1例目の「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の発生届が報告されました。本事案はSFTSを発症した動物(ネコ)から感染した可能性があります。
SFTSは、主にマダニ類が媒介するSFTSウイルスに感染することで起こる疾患ですが、近年、SFTSを発症した動物からヒトに感染したと考えられる事例も報告されており、感染症予防のため、マダニ類だけでなく、体調不良の動物との接触の際には細心の注意が必要です。
1.重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは
SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染して起こる病気です。潜伏期間は6日から2週間で、主な症状は発熱、消化器症状で重症化して死亡することもあります。ワクチンはなく、治療としては対症療法が主体になります。
近年、SFTSを発症したネコ及びイヌの症例が確認されており、これらの動物の血液や糞便からSFTSウイルスが検出されています。SFTS以外の感染症に対する予防の観点からも、動物を飼育している場合は過剰な触れ合いを控え、動物由来の感染にも注意してください。
2.感染予防策等
- マダニに咬まれないようにすることが重要です。
農作業や庭仕事、レジャー等、屋外で活動する際には、
- 長袖・長ズボン、足を完全に覆う靴などを着用し肌の露出を少なくしましょう。
- 作業後は身体や服をはたき、マダニに咬まれていないか確認しましょう。
- 帰宅したら、入浴しましょう。
- 吸着しているマダニ等を見つけた場合は無理に引き抜かず、できるだけ医療機関(皮ふ科等)で処置してもらいましょう。
- マダニに咬まれた後(数日から2週間程度)に発熱等の症状があった場合は、 医療機関を受診し、マダニに咬まれたことを伝えましょう。
- 動物に付着しているマダニに咬まれないようにするためには、
・動物を飼育している場合、過剰な触れ合い(口移しでエサを与える、動物を布団に入れて一緒に寝ることなど)は控えてください。
・動物に触ったら必ず手洗い等をしましょう。また、動物のマダニは適切に駆除しましょう。
・飼育している動物の健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診してください。
・野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。野生動物との接触は避けてください。
・体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診してください。受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態、また動物との接触状況についても医師に伝えてください。
詳細
R7.3.27_重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者の発生について[PDFファイル/338KB]